臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「二人共どうしたの? 水筒なんか持っちゃって」

「あ、その……実はさ……」

 綾香に訊かれた康平は、二百円の事をバラすつもりでいたので、そのまま白状しようとした。


「俺達、盆休みの時に無駄金遣ったんだよな」

「ん? ……あぁ」

 横から言った健太に康平は思わず同意した。


「話は変わっけど、図書館に誘ったのは俺じゃなくて康平の方なんだぜ! 亜樹達と勉強するのが楽しいんだってさ」


 康平は、言った記憶が無い健太の言葉に動揺した。


「そうなんだ。今日の康平を見ると、全くもって信用出来ないんだけどね」

 亜樹は人が悪いような顔で言った。
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