臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
 球技大会のバスケは一クラス十人ずつが出場し、六クラスで六十人が二百円を出し合っていた。そして優勝したチームが総取りするルールで密かに行われていたのである。

 優勝したチームは一人千二百円が手に入り、丁度その料金であるケーキバイキングの店にタダで行く予定であったのだ。


 メンバーが明るく話しているのを見て、康平も救われたような表情になり、みんなの会話の中に入っていった。



 球技大会は終わり、部活が始まった。

 この日は金曜日で、先輩達はボクシング場で自由練習をしている。

 四人の一年生達は、第二体育館での練習である。梅田・飯島の両先生は第二体育館に来ていた。

 康平と白鳥は飯島から教わり、有馬と健太は梅田の指導を受けている。

 準備運動とシャドーボクシングが終わった。康平と白鳥は、二ラウンド毎に飯島の構えるミットを打つ事になっていた。

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