臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「全体的なスピードが足りないのは仕方無いんだが、俺が言いたいのは左ボディーから左フックの打ち始めを早くしたいんだよ。何故だか分かるか?」
「……何と無く分かります」
「そうか。……よし高田、答えてみろ」
飯島は、再び悲しい顔になった。
「……左ボディーを打つと、相手のガードが下がって顔面への左フックが当たり易いからです」
「残念ながら正解だ。白鳥、その為にはどうするんだ?」
「最初の左ボディーを打った時に、引く事を意識するのだと思います」
「そうだな。次に打つ時は白鳥が言った事を意識するんだ。……この打ち方は、決め打ちする時の打ち方なんだがな」
「決め打ち……ですか?」
康平が訊きたいような顔をした時、飯島は上機嫌になった。
「ん、知りたいか?」
「は、はい」
二人は同時に返事をした。
「……何と無く分かります」
「そうか。……よし高田、答えてみろ」
飯島は、再び悲しい顔になった。
「……左ボディーを打つと、相手のガードが下がって顔面への左フックが当たり易いからです」
「残念ながら正解だ。白鳥、その為にはどうするんだ?」
「最初の左ボディーを打った時に、引く事を意識するのだと思います」
「そうだな。次に打つ時は白鳥が言った事を意識するんだ。……この打ち方は、決め打ちする時の打ち方なんだがな」
「決め打ち……ですか?」
康平が訊きたいような顔をした時、飯島は上機嫌になった。
「ん、知りたいか?」
「は、はい」
二人は同時に返事をした。