臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
バァーン!
ミットの音が体育館に響き渡る。
「よーぉしっ! いいぞ高田。もうイッチョいくぞ!」
飯島に褒められた康平は張り切り、再び引きを意識した左ボディーブローの後に左フックを強振する。
ボスン!
飯島の右ミットからキレの悪い音がした。
一回目に打った左フックと全く違った感触だったので、康平は不思議に思った。
「先生、どうしてさっきのようにイイパンチが打てなかったんですか?」
「二回目に打った左フックは、胸が開いて撫でるようなパンチになってたからだよ。胸を開くと外側に力が逃げるからな」
康平に質問された飯島は、上機嫌で答えた。更に彼は話を続けた。
「パンチの質を上げるには、俺の『だっちゅうの理論』というのがある」
「……『だっちゅうの』って何ですか?」
康平が質問をする。シャドーボクシングをしている白鳥も、動きを止めて飯島を見ていた。
「何だ、高田は知らないのか? ……流行ったのは結構前だったからなぁ。巨乳タレントがテレビでよくやってたポーズなんだよ」
ミットの音が体育館に響き渡る。
「よーぉしっ! いいぞ高田。もうイッチョいくぞ!」
飯島に褒められた康平は張り切り、再び引きを意識した左ボディーブローの後に左フックを強振する。
ボスン!
飯島の右ミットからキレの悪い音がした。
一回目に打った左フックと全く違った感触だったので、康平は不思議に思った。
「先生、どうしてさっきのようにイイパンチが打てなかったんですか?」
「二回目に打った左フックは、胸が開いて撫でるようなパンチになってたからだよ。胸を開くと外側に力が逃げるからな」
康平に質問された飯島は、上機嫌で答えた。更に彼は話を続けた。
「パンチの質を上げるには、俺の『だっちゅうの理論』というのがある」
「……『だっちゅうの』って何ですか?」
康平が質問をする。シャドーボクシングをしている白鳥も、動きを止めて飯島を見ていた。
「何だ、高田は知らないのか? ……流行ったのは結構前だったからなぁ。巨乳タレントがテレビでよくやってたポーズなんだよ」