臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
康平と白鳥は、今すぐ訊きたいような顔をして飯島を見ていた。
「今は敢えて言わないでおくぞ。……今日のお前らは、ダブルパンチという武器を手に入れる日だからな。『だっちゅうの理論』でパンチの性能を上げる話は、また近いうちにするから楽しみにしてろ」
飯島はそう言ってミット打ちを再開した。
練習が終わり、帰ろうとしている康平と白鳥に、飯島が話し掛けた。
「お前ら、俺に質問したい事はないか?」
「先生、どうしたんですか? 今日は質問をせがんでいるようなんですけど……」
康平が話すと飯島は真顔で答える。
「今日はなぁ……うちのカミさんと口喧嘩して、コテンパンにやられてきたんだよ。ボクシングの試合で言ったら、担架で運ばれて病院行きのケースだ」
二人は、どう答えたらいいか分からず黙って聞いていた。
「うちのカミさんの言葉には、殺傷能力でもあるんだろうな。……実はなぁ、俺は世の中に必要とされていないんじゃないかって思う程落ち込んでたんだよ」
「今は敢えて言わないでおくぞ。……今日のお前らは、ダブルパンチという武器を手に入れる日だからな。『だっちゅうの理論』でパンチの性能を上げる話は、また近いうちにするから楽しみにしてろ」
飯島はそう言ってミット打ちを再開した。
練習が終わり、帰ろうとしている康平と白鳥に、飯島が話し掛けた。
「お前ら、俺に質問したい事はないか?」
「先生、どうしたんですか? 今日は質問をせがんでいるようなんですけど……」
康平が話すと飯島は真顔で答える。
「今日はなぁ……うちのカミさんと口喧嘩して、コテンパンにやられてきたんだよ。ボクシングの試合で言ったら、担架で運ばれて病院行きのケースだ」
二人は、どう答えたらいいか分からず黙って聞いていた。
「うちのカミさんの言葉には、殺傷能力でもあるんだろうな。……実はなぁ、俺は世の中に必要とされていないんじゃないかって思う程落ち込んでたんだよ」