臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
 困惑した表情の二人に、飯島は構わず話を続けた。

「お前らが俺に質問してきた時、俺は世の中からまだ必要とされてるんだと思って嬉しくなっちゃったんだよ。俺の気分をよくする為に、お前らを利用した感じになってしまったんだが……まぁ許してくれ」

「先生も頑張って下さい」

 康平と白鳥は心から激励した。口下手な二人は、他人事とは思えないようだ。


 最後に飯島が言った。

「お前らはもうすぐスパーをするんだが、先輩達とはキャリアも違うし、やられて当たり前なんだからな」
< 284 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop