臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
 二人がいざやってみると難しくはないが、膝だけを使って頭の高さを変えるので、続ける康平と健太は膝の疲れを感じていた。


 三ラウンド後、康平は飯島、健太は梅田のラリアット攻撃をかわす練習をした。


 飯島が右のラリアットをした。康平が思ったよりも低い高さにラリアットがきたので、彼は膝を深く曲げながら大きく左へ動く。

 左のラリアットは逆の動きでかわした。


 飯島は、顔にラリアットをするというより肩を狙っていた。オーバーに動かさせ、体に憶えさせる為である。


 何度かかわしていた康平だったが、次のラウンドに不意打ちを食らった。

 飯島の右のラリアットを避けながら左へ動いた康平だったが、避けたハズの右腕が、裏拳のような形で突然康平の顔面に戻ってきたのだ。

 裏拳はバックハンドブローと言って、ボクシングでは反則である。

< 3 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop