臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「今日は本当にアリガトな。綾香がいなければマジでプレゼント買えなかったよ」

「いいよ別に! 私だって楽しかったしね。……でもよかったね。好きなコのプレゼントが買えて」

 綾香がそう言うと、康平は顔を赤くしながら慌てた。

「い、いや好きとかはハッキリ分かんねぇけど、図書館でのお礼はしたいんだよ」

「康平って女の子に対しては、からっきしだね。……それに私だったからいいけど、他の女の子と買い物に行く時はジャージ以外の方がいいわよ」

 綾香に言われて一瞬下を向いた康平は、小さくなって謝る。

「ご、ごめん」

「ぷっ、私に言いくるめられる男の人って康平が初めてだよ。亜樹に言わせれば、光栄に思いなさい……ってトコかしらね」

 笑いながら話す綾香を見て、康平もホッとする。


 最後に綾香が一言。

「私は本気で、康平と亜樹の事を応援してるんだから。……頑張ってね」

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