臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「その日は図書館休みだよ。確か土曜日もだったわね」

「マジで?」

「だったら康平ンチの近くの図書館でもいいよ。休みかどうか調べてみてよ」


 綾香が笑って突っ込む。

「あくまで図書館なのね。……私も行っていい?」

「当然でしょ! 康平君の苦手な数学は、まだ克服出来ていないんだからビシビシいかなくっちゃね。それと綾香が来るのは大歓迎だよ」


 家に帰る途中、康平は自宅近くの図書館に行った。どうやら日曜日は開館のようである。

 早速亜樹の携帯電話に電話した。

【こっちの図書館は、日曜日もやっているから大丈夫だよ】

【じゃあ、綾香と十時に下田駅に行くけどいいかな?】

【こっちは構わないけど。……ところで今日の話って何だったのさ?】

【もう済んだからいいわ。……話は変わるけど、綾香が日曜日はジャージでもいいって言ってたよ】

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