臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
 最初は有馬と白鳥がリングに入ってミット打ち、康平と健太がサンドバッグを打っていた。


 四ラウンド後、康平達がリングに入ってミット打ちを始めた。

 ミットにパンチを打ち始めた途端、何故か康平が飯島からミットで頭を叩かれた。

 そして飯島は水道の蛇口で顔を洗っている。


 次に説明しながらミットを受けている梅田も、いきなり健太の頭をミットで叩き、水道の蛇口でウガイを始めた。

 飯島は康平の汗を顔全体に浴び、梅田は説明している最中に健太の汗が口に入ったようだ。


 康平と健太は、いつもは三着持ってきている替えのTシャツを、休みボケのせいか忘れてしまったのだ。

 夏の練習はとにかく汗が出る。流れ出る汗の為に、康平と健太のTシャツはビショビショで体にヘバリついていた。


 梅田が言った。

「片桐と高田、テメェらは形式練習を四ラウンドだ」

 康平と健太は梅田の逆鱗に触れたようである。

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