臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
 康平が頷いた。

「俺もそう思うよ。白鳥の愚痴って聞いた事ねぇもんな」

「あんまり白鳥を褒めてイジメんなよ! 照れてあんなに赤くなっちゃったじゃねぇか?」


 白鳥は健太にからかわれていたが、どことなく嬉しそうである。


 有馬が言った。

「白鳥! 黙ってねぇで、俺以外にもツッコミ入れてやれよ。……ところで今週の日曜はお前ら予定あっか?」


 康平と健太は顔を見合わせ、康平が口を開く。

「ワリィ! 俺達日曜日は用事があって行けねぇんだよ」

「そっかぁ、残念だなぁ。ちょっとした収入があって、あのゲーセンでオゴろうと思っていたんだけどな」

 健太が有馬に訊いた。

「オゴりと聞いて見過ごす訳にはいかねえんだが、何で羽振りがいいんだ?」

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