臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
亜樹達の乗った電車が来るまであと五分という時、健太が口を開く。
「俺さぁ、急に有馬達とゲームしたくなったんだよなぁ……」
「いきなり何言い出すんだよ! お前だって高い金だしてプレゼント買ったんじゃねぇか?」
「お前と綾香は亜樹の為に買ったんだろ? 俺は綾香の気を引く為に買ったんだから、亜樹に渡すわけにはいかねぇんだよ。……それと、今日はマジでゲームしたくなったんだぜ」
そう言って健太は改札を抜け、発車する直前の上り電車に乗ってしまった。
その二分後、亜樹と綾香が乗った下り電車が駅に停まった。
電車から降りて改札を抜けてきた二人だが、辺りを見回しながら綾香が言った。
「あれ、康平だけなの? 健太もいるんじゃなかったっけ」
「健太は、……う、うちの仕事が忙しくて今日来れねぇってさ。アイツも楽しみにしてたみてぇだけどな」
康平は苦し紛れに嘘をつく。
「俺さぁ、急に有馬達とゲームしたくなったんだよなぁ……」
「いきなり何言い出すんだよ! お前だって高い金だしてプレゼント買ったんじゃねぇか?」
「お前と綾香は亜樹の為に買ったんだろ? 俺は綾香の気を引く為に買ったんだから、亜樹に渡すわけにはいかねぇんだよ。……それと、今日はマジでゲームしたくなったんだぜ」
そう言って健太は改札を抜け、発車する直前の上り電車に乗ってしまった。
その二分後、亜樹と綾香が乗った下り電車が駅に停まった。
電車から降りて改札を抜けてきた二人だが、辺りを見回しながら綾香が言った。
「あれ、康平だけなの? 健太もいるんじゃなかったっけ」
「健太は、……う、うちの仕事が忙しくて今日来れねぇってさ。アイツも楽しみにしてたみてぇだけどな」
康平は苦し紛れに嘘をつく。