臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「ワォ、うちに来てくれるんだ! 健太もいるからユックリしていきなよ」

 健太は有馬達のいるゲームセンターにいる筈である。だが真由は、健太が店にいると言っている。

 黙っている康平に裕也が言った。

「康平、何不思議そうな顔してんだよ。健太は店の手伝いなんだろ?」

「あ、あぁ、そうだけど。……と、とりあえず行こうぜ。俺もあそこのアンミツ好きだからさ」

 康平はそう言いながらながら、図書館の入り口へ歩いていった。

 康平の隣で真由が小声で話した。

「事情は健太から訊きなよ」



 健太の家である定食屋『片やん』に着いた五人は、一緒に座れる場所を探す。

 尚、定食屋『片やん』の名称は、片桐家の片からとっていた。

 時計は午後一時二十分を回っていた為か、客もマバラになってきたので、五分程待って無事に座ることができた。

< 79 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop