Closed memory
浅葱の侍
あの夜から一月が経ち、試験に合格した俺たちは無事新選組に入隊。
幹部の紹介や隊の簡単な説明を受けた後、俺たちは大部屋に入れられた。
ここでの生活は新鮮そのもの。
毎日が、充実している。
と言っても、まだ新米な俺たちのやることと言えば、先輩方の雑用で、剣にもろくに触れない日々が続いていた。
そんなある日、
「古宮と矢口。片付けが終わったら、俺の部屋に来い」
いつも通り朝餉の片付けをしていると、既に食事を終えた副長が、横を通り過ぎざまに言った。
思わず手を止めて、隣にいる蘭丸と顔を合わせる。
【古宮】は間違いなく俺の姓で、【矢口】は蘭丸の姓だ。
「……副長が俺たちに用?なんだろ」
「さぁな。行けばわかるだろ」
泣く子も黙ると鬼の副長という異名を持つ、土方副長……確か名前は歳三って言ったっけ。