Closed memory
蘭丸
任務から一週間が経った。
あの夜から何度も日が登り、沈んだ。
蘭丸は、まだ目を覚まさない。
「今日も、見舞いですか…京さん」
「沖田先生……」
廊下ですれ違いながら、俺はかすかに頷いた。
あの夜から、沖田先生の顔を真面に見れていない。
『ーーー私がこの手で、先生の命を終わらせる』
沖田先生の言葉は、偽りで無い真のものだった。
先生はきっと、その言葉通り……
芹沢局長を、その手に掛けたのだろう。
一体、俺はあとどのくらい走れは、沖田先生の志に近づけるのか。
どのくらいの勇気と、どのくらいの信念が、今の沖田先生を支えているのだろう。
考えても考えても、終わりのない自問自答。
全て投げ出して、逃げてしまいたいと何度思ったことか。
「ーー気負わないことです。あまり、自分を追い詰めないで少しは休むのも大事ですよ」
「……」
わかっている。
俺のことを心配してるからこその言葉なんだって。
でも、
「……失礼します」
今は、誰にも何も言って欲しくない。