Closed memory
「……まぁ、そうだけどさ。本当は京、何かやらかしちゃったんじゃないの?」
「馬鹿。俺がそんなヘマするわけないだろ」
軽く蘭丸の頭を叩くと、大袈裟に顔を歪めて、頬を膨らませた。
そんな事するから、自分がより女子っぽくなるっていうのに。
気付けよ、いい加減。
「……なにさ」
「別に。副長が待ってるだろうから、早く片付けようぜ」
五つほど重ねた膳を蘭丸に持たせて、俺は十重ねた膳を持った。
「……また自分一人、俺よりも多く持つんだから。京の馬鹿」
「馬鹿っていう方が馬鹿。体力差は仕方ないだろ。俺はこれぐらい、お前はそれぐらいが丁度いいんだよ」
「……意味わかんない。京の馬鹿」
「っな⁉︎」