Closed memory
途端に差し込むのは、眩しいくらいの日の光。
ぼやけた頭で見慣れた天井を認識すると、左眼に鈍い痛みを感じた。
そっか…片目になっちゃったんだった、俺。
少し視界が狭くて、あたりも以前より微かに暗く感じるけれど、特に問題はなさそうだ。
遠近感は、慣れないとなんとも言えないだろうけど。
ずっと寝ていたせいか、体が重い。
起き上がるのも、やっとのことだった。
あれから、どれくらい経ったんだろう。
検討もつかない。
二三日かもしれないし、あるいはそれ以上かもしれない。
そうだ、京は?
京は、ちゃんと無事なんだろうか…。
「蘭…丸」
廊下側から、信じられないとでも言いたげな、囁き声がした。
ああ…、この声。
見なくてもわかる。
お前の声だけは、間違えるもんか。
「…京…なに、情けない声だしてんのさ」
よかった。
京が、俺を見てる。
目の前にいる、俺だけを見ている。
会いたかった。
どうしようもない高揚感が、俺の心を掻き立てる。