ラザガ
「なんだこのガキの声は?」
修羅号の操縦席に座った策郎は、いぶかしげな顔で上を見た。
「敵の声よ。もう1キロメートル先まで来ているわ」
通信モニターに映るタツミが答えた。
「はあ?おい、相手はガキなのかよ?」
「…………見れば、分かるわ」
その言葉を残して、通信モニターの回線は切られた。
「なんなんだよ。くそ」
策郎は舌打ちをもらした。
その時だ。
ゴゴゴゴゴゴ……
と地響きのような音を立てて、天井パネルが開いていった。
空が見えた。太陽の光が、入りこみ、地下を満たす。
滑走路が上昇し、斜め上を向く。
三台のラザガマシンは、天を向いた。
策郎は、気合いを入れて操縦駻を握りしめた。
「さて、ジュオームとやらで動くラザガってのが、どれ程のもんなのか?体験させてもらおうじゃないの」
発進の合図のブザーが鳴った。
「修羅号!発進!」
策郎は、アクセルを思いきり踏みこんだ。