ラザガ


タツミと所員たちは、皆、しばらくの間、ぼうぜんとしていた。


通信モニター越しに、豊作が声をかけてきた。


「おい、所長さんよ……。終わったぞ……」


はっとしてタツミは我に返った。口ごもりながら、答える。


「ご、ご苦労さま。三人共、ラザガの合体を解いて、研究所に帰還してちょうだい」


ラザガ残は分離し、三機のラザガマシンにもどった。


雄介が抑揚の無い声をあげた。


「九島策郎。研究所にもどったら、話があります」


策郎は、静かに答えた。


「ああ、おれもてめえには言いたいことが山ほどある」


豊作は、勝手にしろ、と言わんばかりにあくびをもらした。












三機が研究所の近くまで戻ってきた時だ。




警報が鳴り響いた。







< 51 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop