ラザガ
第二章 ジュオームチルドレン
「何があったの?」
タツミが聞いた。
オペレーター達が、それに答える。
「研究所上空に、正体不明の巨大なジュオームエネルギー反応が急にあらわれました!」
「す、凄まじい反応です!これはまるで、太陽レベルの……、いや、まさか……それ以上!?」
「七百メートル上空に反応の元を発見しました。モニターに映します」
巨大モニターに映された光景を見て、タツミとオペレーター達はとまどいを顔に浮かべた。
モニターには、ひとりの少年の姿が映っていた。
黒いスーツを身につけた、十六歳くらいの、白髪の少年だ。
ぞくりとするくらい、暗く美しい顔つきをしている。
少年は空中に浮かんでいた。静かな笑みを浮かべながら、八乙女研究所を見下ろしている。
「……子供?」
タツミが眉間にしわをよせる。
「所長!間違いありません!この巨大なジュオームエネルギー反応は、あの少年のものです!」