ラザガ
五十キロメートル先の上空を飛んでいたラザガマシン三機は、後方から凄まじい衝撃波に襲われた。
「うおっ」
「くっ…」
「よっと」
一瞬、衝撃波に流されそうになったが、なんとか三機とも持ち直した。
策郎は、振りかえり、つぶやいた。
「タツミのやつ、死んじまったか」
雄介が答える。
「当たり前でしょう。あれだけの爆発に、普通の人間が耐えられるわけがない」
豊作が言った。
「あの女の判断は素早かった。おそらく、こういうことになる可能性は覚悟していたんだろう」
「くそ、右足の恩返しは、まだすんでないのによ……」
策郎は舌打ちをもらした。
「あの、ルークスとかいう少年が追ってくるかもしれません。急ぎましょう」
雄介が前に向き直って言った。
ラザガマシン三機は、速度をあげて飛び去っていった。