ラザガ
鋼鉄の、機械の島であった。
銀色の、円形の島であった。
でかい。
直径が、五千メートルはある。
島の上には、奇妙な形の建物が並んでいた。
ビルや工場のような建物がたくさん建っているのだが、どれも、角のようなものがついているのだ。
どうも普通のセンスの人間によって作られたものではないような、そんな形をしていた。
その空飛ぶ巨大な機械の島は、ラザガマシン三機の上空で止まった。
「これが、八乙女研究所の第三支部?」
雄介がぼうぜんとした声をあげる。
「うおおおっ!でけえでけえっ!カッチョええ!」
策郎のテンションが上がった。
「危ねえな。あと少しでぶつかるとこだったじゃねえか」
豊作が文句を言う。
機械の島の底の部分の大きな扉が、ゆっくりと開いていった。
「あそこが、入口みたいですね」
「よっしゃ、じゃあ、入るか」
ラザガマシン三機は、そこから機械の島の中へ入っていった。
島の格納庫にラザガマシンを着陸させると、三人はマシンから降りた。
所員に案内されて、島の中心にある塔の最上階の所長室に入る。
その所長室はひどく散らかっていた。刃物、弾丸、ミサイル、拳銃、ロケットランチャー、ダイナマイト、ピストル、バズーカー、爆弾、地雷、手留弾。
様々な武器、凶器、兵器が、無造作に転がっている。
その真ん中に、さっき通信モニターに映っていた男、八乙女竜児が、両手を広げて立っていた。
竜児は笑顔で叫んだ。
「ラザガパイロットの諸君!よぉぉぉこそ!移動要塞ガデムへ!!」