ラザガ
所長室に入ってきた三人の顔を見て、八乙女竜児はやっほーい、と叫んだ。
「さすがラザガのパイロット達だ!どいつもいい面がまえしてやがるぜ!あ、でも仮面つけてるヤツの面がまえは分かんねえか!ははは、言い間違った、言い間違った!」
「おい、それよりもミチはどこにいるんだ!?」
豊作が、竜児につめよった。
竜児は首をかしげた。
「ミーチー!?誰だそれは!知らん!」
「知らんじゃねえよ!!」
豊作は竜児の胸ぐらをつかんで高々と持ち上げた。竜児は動じない。きっぱりと答える。
「知らんもんは知らん!」
「タツミは、ミチを乗せた車は第三支部に向かっていると言っていたんだ!何も知らねえってこたぁねえだろ!」
「でも知らん!」
「てめえ……」
豊作は拳をあげた。
そのとき、かわいらしい声が部屋にひびいた。
「落ち着いてください!破藤豊作さん。ミチちゃんを乗せた輸送車は、まだここには着いていないんです!」
豊作はふりかえった。
入口のドアの前に、ひとりの白衣を着た少女が立っていた。
十七歳くらいのおとなしそうな少女だ。白衣の下に、セーラー服を身につけている。