月の神子物語
序章

プロローグ

__時は平安


魑魅魍魎が蔓延り、人々は姿の見えぬ妖『アヤカシ』に怯え、闇を恐れていた。


そんな世界に二人の神子『みこ』が誕生した。

彼女たちはお互いが十の時に出会い、永久の友情を誓った。


一人は帝の皇女、紗月。

彼女の唄は人を癒し、舞は妖を退けた。


もう一人は呪われた血を継ぐ月代一族の直系長姫、月代 由璃。

彼女の剣は妖を切り裂き、唄は妖を浄化した。


人々は紗月のことを『日の神子』由璃のことを『月の神子』と呼び、敬い、尊んでいた。



しかし彼女たちは齢二十を迎える前に永眠した。


人々は惑い、遺体を探したものの、彼女たちの遺体は遂に見つからなかった。


しかし月代一族は由璃の娘、瑠海が継ぎ、以後はこの血を途絶えさせぬようにとし、紗月の血もまた、直系のまま脈々と受け継がれているそうな。


語り手不詳   神子物語




過去と現在、前世と自身の古より続く呪いの物語の中で__

全ての終わりが訪れたときに笑っているのは誰なのか。
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