月の神子物語
ガラッ

___シン___

私が教室の扉を開くだけで、これだから。私ヤバッ

「ねえ。神楽さん、また他中の男子と喧嘩したんでしょ?」

「えっ?またなの……?」

……いい加減、イラつくんですけど。喧嘩なんて、してないし。

「おはよー緋月。今日もすっごくイラついた顔してんねー」

「……依鈴おはよ。今日の数学部室でね。」

「りょーかいしたー」

軽い受け答えをしているのは私の唯一の友達、鹿島 依鈴<カシマ イスズ>

キャラメルブラウンのロングウェーブの髪に、ハ二―ブラウンの瞳の美少女なんだけど、スカートは膝上何センチ?ってくらい短いし、ボタンは第二まで開けている上に、二連のブレスレットまでつけている。

要は、近寄りがたい雰囲気なんだよね。

おまけに、神の愛し子とかいう大層な二つ名までつけられちゃって。

なんて考えていたら。

「鹿島さんってチャラいしぃ神楽さん以外の人の対応が酷くなぁい?」

モブ女が馬鹿なことを言った。

ンなこと言っても依鈴は

「そこの小娘。私の世界を好きなモノで埋め尽くすことの、何が悪いのかしら?」

ほら。


震えるくらいなら最初っから言わなきゃいいのに。

ほんっとに馬鹿な女。
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