恋?未満
引越し当日。
朝7時前から引越しの準備を始めていた。
午前7時過ぎ、彼女が来た。
こんなに早く来ていたのか?
帰りはいつも鍵を閉めて帰っているというのに。
いったい、あの事務所で何をしているのだろうか?
引越しを手伝ってくれていた俺の友人が、
彼女と挨拶を交わしたと言う。
彼女の事は少し話していたので、
一目見てこの女性だと気付いたらしい。
「別に、普通に挨拶していたよ。」
そう聞いて、俺は嫌われているのかもしれないと思った。
会えるのも今日が最後かもしれない。
けれども、彼女に声をかけることもできそうにない。