恋?未満
彼女が視界から消えても、なお、呆然としていた俺に、
隣のドアからでてきたあの若い奴が声を掛けてきた。
「あの女ですよ。俺が言ってたの。いい女でしょ?年上だとは思うけど。」
その言葉に何故かイラついた俺は、無言でその場を後にした。
それから、ちょくちょく、非常階段で彼女と会う事ができた。
が、挨拶程度しか話せない。
何故なら、彼女から発せられる”近付くなオーラ”が半端ないから。
いつも難しい顔か、真顔。笑顔を見た事がなかった。