恋?未満
8月も半ばになった頃。

俺はひとり非常階段を昇り、

煙草に火を付けた。

俺が煙草を吸っていると、

「あ。おはようございます。」

そう声を掛けてきた彼女。

「気付かずに申し訳ありません。」

そう言って彼女に近付いて、掛けていたサングラスを持ちあげると、

引き気味に、眉間に皺を寄せる彼女。

昨日、散髪したての俺は、なにかリアクションを得られるかと、

半分諦めの中、からかい半分にしたことだが、

彼女の反応には心が折れた。
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