*続*先生、甘い診察してください
案の定、夏依ちゃんはホッと安心したような顔をした。
「じゃあ、ゆっくりでいいから、あーんして~」
ペンライトを点けて、恐る恐る遠慮がちに開かれた口の中を覗き込む。
真っ先に目に入ったのは、左側の奥歯、6番の歯は歯冠が崩壊し根っこしか残ってない。
右側の6番はポッカリと茶色いかなり大きな穴が開いてる。
下の歯は診た限りでは、あちこち虫歯になってるようだ。
上の歯は……うーん、見えにくい。
後日、ゆっくり診察しないとなぁ。レントゲンも撮りたいし。
「はい、もういいよ~。お疲れ様~」
左側の6番は恐らく、神経が壊死してる。
かなりの長期間、痛むのを我慢してたんだろう。