*続*先生、甘い診察してください




小さく笑って、私の背中を軽く押した。




「今から行って…迷惑じゃない、かな……?」



せっかく背中を押されても、ウジウジしてしまう私。





「大丈夫だって!!自信持ってよ。遠慮はするな。もし智也に拒絶されたらすぐ俺に言って。兄ちゃんはいつでも、あやの味方だから」



お兄ちゃんの言葉に、心が温かくなった。


元気が出てきて、なんか勇気が出てきた。






「ありがとう、お兄ちゃん。行ってくるね…!」



大きく手を振って、急いで家を出た。






「でもあんま遅くならないでねー!!なるべく早く帰って来てなー!」



背後から、相変わらずのシスコン発言が聞こえた。






私は夜道を、急ぎ足で歩いた。


妊娠中だから走らない。





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