*続*先生、甘い診察してください
「ここに来る途中、あやちゃん見たよ」
「ほっ、本当!!」
ソファーから立ち上がって、陽菜ちゃんの肩を掴んだ。
「う、うん……」
顔を真っ赤にしてモジモジしながらも、頷く陽菜ちゃん。
「何か、男の子と歩いてた。背が高くて……爽やか系の」
頭の中が真っ白になるというのは、まさにこの事。
「マジで!?それって、デートじゃない!?」
「…さ、さぁ。でも手…繋いでたような……」
ガーン、と脳内で大きな効果音が聞こえた。
ガクンとその場に膝から崩れ落ちた。
「智也先生!?大丈夫!?」
陽菜ちゃんの声が、ちっとも耳に入ってこなかった。