追いかけても追いかけても
学校から少し離れたところにあるカフェに入って紅茶を頼んだけれど私たちはそれに口をつけずに黙っている。
これ以上へこんでても由紀に罪悪感を抱かせるだけだと思い笑顔を作る。
「ごめん、ちょっと混乱しただけなの!もう大丈夫だから気にしないでね!」
由紀はそれが強がりだって気づいていたかもしれないけど黙って頷いて紅茶をのんだ。
「あゆ、奏多に聞きにくいなら私が聞いてもいいし、直樹に聞いてもらってもいいんだからね?1人で溜め込んじゃダメだよ」
優しく笑ってくれる由紀。
たとえ奏多と別れても由紀が側にいてくれれば大丈夫なんじゃないかと思う。
でも奏多の側にいたい。
本当のことを知りたいけどなにも聞かないでいよう。
奏多から「ごめん」なんて言われたくないから。