追いかけても追いかけても
私はもう何も言えなくて、言ってもごめんしか返ってこないと思うと聞くのも嫌になる。
「本当にごめん。あゆ待っててくれたのに…」
「もういいよ」
私の言葉に奏多は安心したように笑う。
私の気持ちになんて気づいてないんだってわかる。
「今度なんか奢るし、うまいもん食いに行こう?なんでも言うこと聞くよ」
罪滅ぼしのつもりなのかそんなことを言っている。
でも何もいらない。
「いいよ。別に。あ、もう授業始まってる…二限までなにしようかな」
「でも…」
困っている奏多を見て笑いかける。