恋愛事案は内密に
私に対する好意があるから、それを利用としたことに間違いは無い。でも……。
「派遣会社には私から説明しますので、所長は連絡してくださいますか?」
「もういいです。わかりました。派遣会社には僕が改めて報告するので、むつみさんは何もしないでいいですから」
はあと、きつい溜め息を所長はつく。
公園の近くでパンパンという音がして、黄色い声が聞こえてくる。
小さな花火が赤や黄色に宙を舞っていた。
「キスしたこと、謝りますよ」
「え」
「強引なキスをしたことは謝ります」
所長はハンドルをぐっと硬く握る。
さっき試作室で私の手首を握ったようにきつく握っているのだろうか。
「僕の気持ちに気づかないフリをするむつみさんは許さない」
捨てるように吐かれた言葉がずしりと心にのしかかる。
車のエンジンを入れ、走り出す。車窓からはさっき打ち上げられたところでまた赤や緑、黄色の花火が散った。
自宅前まで沈黙は続く。
自宅マンションの前に車を止め、ようやく所長は閉ざしていた口を開いた。
「派遣会社には私から説明しますので、所長は連絡してくださいますか?」
「もういいです。わかりました。派遣会社には僕が改めて報告するので、むつみさんは何もしないでいいですから」
はあと、きつい溜め息を所長はつく。
公園の近くでパンパンという音がして、黄色い声が聞こえてくる。
小さな花火が赤や黄色に宙を舞っていた。
「キスしたこと、謝りますよ」
「え」
「強引なキスをしたことは謝ります」
所長はハンドルをぐっと硬く握る。
さっき試作室で私の手首を握ったようにきつく握っているのだろうか。
「僕の気持ちに気づかないフリをするむつみさんは許さない」
捨てるように吐かれた言葉がずしりと心にのしかかる。
車のエンジンを入れ、走り出す。車窓からはさっき打ち上げられたところでまた赤や緑、黄色の花火が散った。
自宅前まで沈黙は続く。
自宅マンションの前に車を止め、ようやく所長は閉ざしていた口を開いた。