あの頃の君へ
本当の気持ち
パチッ
瞬間的に目を開けると、カーテンから夕日が差し込んでいた。
「んーっ」
よく寝たなぁ。
ソロリと起きて寝室からリビングを覗くと、ソファーにもたれて座る拓真の姿が見えた。
方膝を立てて手には英語でびっしり書かれている本を持っている。
しかしそれは読まずにじっと見つめているだけのように感じられる。
拓真……?
そしてその横顔は私の知っている拓真の表情ではなかった。
儚げでどこか冷たい瞳。
このままじゃこんなに近くにいるのに、拓真に触れられないような気がして扉を開けた。
「お、おはよ!よく寝たらだいぶスッキリしたよ」