あの頃の君へ
あの頃からずっと
「It is fine today. What country did you come from?」
「日本から…じゃなくて… I came to meet an important person from Japan.」
「Huh.The fate is changed in an instant. I pray for good luck. Japanese pretty girl?」
「プ、プリティー……?Thank you.」
駅からタクシーに乗り数十分。
中心部から外れ、着いたのは少しのんびりした空気が流れる病院だった。
ここに、拓真がいる……。
受付に入ると、陽子さんが私を見つけて抱き締めた。
「みのりちゃん、本当に来てくれたのね……ありがとう」
「陽子さん、く、苦し……」
「あらやだ!ごめんなさいね」
「それで、拓真は?」
「明日なの、手術。今日は安定していて部屋にいるわ」
「そ、うですか……」
陽子さんが私の手を握り、階段を登っていく度に心臓がうるさく音をたてる。
なんて言おう。
どんな顔をしよう。
どうやって伝えよう。
「じゃあ先に私が入るから、好きな時に入ってきて大丈夫よ」
私の手の震えに気が付いたのか、陽子さんは優しく微笑んで病室に入って行った。