あの頃の君へ
二人で
***
「吉岡、これ15部ずつまとめて、終わったら会議室で明日の準備しておいてくれ」
「…はい、わかりました」
時は経ち、私は社会人二年目の夏を迎えていた。
はぁ、どうしようか。
今日は彼が泊まる日なのに、絶対的残業決定……。
“ごめん!残業になったからご飯先に食べててね”
の、返信が……
「“バーカ”?」
いやいや、こっちだって好きで残業してるわけじゃないです……!
「おい、吉岡終わったら次これなー」
……こんの鬼畜部長っ!!!
何て言えずひきつった笑顔で頷く。
あぁ、学生に戻りたい……
なんて学生である彼を思い出していると、コピーに入れた書類が刷り終わりの合図を告げた。
よしっ、あと一息頑張りますか!