あの頃の君へ
な、何よその哀れんだ目は……
「うっ……別に拓真には関係ない!てか早く家借りて出ていきなさいよ?」
「うぃっす。」
コーヒーを差し出すとペコッと頭を下げて、拓真は体育座りをした。
「拓真ってこの春から大学1年だよね?大学は向こうなの?」
「あち……まぁ、そんな感じ。今は休みだから」
猫舌でコーヒーをフーフーと息をかけながら飲もうと苦戦している拓真に、つい笑みが溢れる。
普通にしてたら可愛くて弟みたい……
「ふふっ、まだ熱いの駄目なんだね。かわ」
「その続き言ったら罰ゲームだかんな」
立っている私を下からジロリと睨んで、また湯気が上がるコーヒーへと視線を移す。