世界でいちばん、大キライ。
*
「じゃあそろそろ行こうか? モモカ」
ジョシュアに言われて桃花は頷くと、了に申し訳なさげにカップを寄せて頭を下げた。
ジョシュアが先に席を立ち、桃花の後ろでポケットに手を入れ待っている。
桃花がすぐあとに立ち上がると、ジョシュアは目を合わせて微笑み、エスコートするように歩き始めた。
出口の扉を開けて押さえてくれるジョシュアに軽く会釈をして、桃花は外に出る。
続いてジョシュアが出てきたら、肩を並べて歩き始めた。
「なんか、わざわざすみません。でも一緒に来てくださると、説明するのも助かるというか……」
「ゼンゼン! オレ、とりあえず明日向こうに帰る予定だったし、その前に直接会えてラッキーだよ」
大きな手振りで笑顔を浮かべるジョシュアに、桃花は小さく微笑んだ。
「モモカの家ってここからどのくらい?」
「えっと、電車、で……っ!?」
何気なく交わしていたジョシュアとの会話。
けれど、その途中、桃花は裏返したような声を上げ、足を止めた。
止めた、と言うより――。
「やっと捕まえた」
腕を掴まれた桃花は歩くことが出来なかっただけ。
そして、その腕を拘束する相手を見上げては、目を大きくして絶句する。
あまりの驚きに、未だに声を出せない桃花。
それに代わって、すぐ前で振り返るジョシュアが開口した。
「やぁ。“また”会ったね」
「じゃあそろそろ行こうか? モモカ」
ジョシュアに言われて桃花は頷くと、了に申し訳なさげにカップを寄せて頭を下げた。
ジョシュアが先に席を立ち、桃花の後ろでポケットに手を入れ待っている。
桃花がすぐあとに立ち上がると、ジョシュアは目を合わせて微笑み、エスコートするように歩き始めた。
出口の扉を開けて押さえてくれるジョシュアに軽く会釈をして、桃花は外に出る。
続いてジョシュアが出てきたら、肩を並べて歩き始めた。
「なんか、わざわざすみません。でも一緒に来てくださると、説明するのも助かるというか……」
「ゼンゼン! オレ、とりあえず明日向こうに帰る予定だったし、その前に直接会えてラッキーだよ」
大きな手振りで笑顔を浮かべるジョシュアに、桃花は小さく微笑んだ。
「モモカの家ってここからどのくらい?」
「えっと、電車、で……っ!?」
何気なく交わしていたジョシュアとの会話。
けれど、その途中、桃花は裏返したような声を上げ、足を止めた。
止めた、と言うより――。
「やっと捕まえた」
腕を掴まれた桃花は歩くことが出来なかっただけ。
そして、その腕を拘束する相手を見上げては、目を大きくして絶句する。
あまりの驚きに、未だに声を出せない桃花。
それに代わって、すぐ前で振り返るジョシュアが開口した。
「やぁ。“また”会ったね」