世界でいちばん、大キライ。
ただ、真っ直ぐとジョシュアに鋭い双眸を向ける。
その威圧感は当然ジョシュアにも届いていて、薄らと浮かべていた笑顔が消えた。
真剣な面持ちになって見つめ合うふたりに挟まれた桃花は、ジョシュアの言った言葉を大体理解していることもあってなにも口を出せずにいる。
ようやく沈黙を破るようにして開口したのは久志。
「それはアンタの前で見せる必要ねぇだろ」
先程のジョシュアよりも低音だが、はっきりとふたりの耳に届いた言葉。
しかも、それがこの場凌ぎなんかではないことが言わずとも感じ取れる。
そのくらい、魂の籠もった声だったと、数回しか顔を見ていないジョシュアでさえも全身で感じた。
鬼気迫るような雰囲気に、ジョシュアも久志の〝覚悟〟を察すると、「フゥ」と気の抜けるような溜め息を漏らして目を伏せた。
「……モモカ。今日は席を外すことにするよ。See you soon.」
あっさりとジョシュアが立ち去る姿を見送るように立ちほうける桃花の手首を久志が掴んだ。
吃驚して桃花が顔を上げると、まっすぐと自分を見据える久志が細い路地に引き込む。
さらに驚く桃花をよそに、人気を避けたその路地で、手を解放した久志は毅然とした態度で桃花と向き合った。
けれど、向き合うだけで、なにも言ってはくれない。
桃花は潤んだ瞳を誤魔化すように軽く伏せて、小さく声を漏らした。
「あ、あの……」
「すっげぇ都合いいこと、これから言うけど」
「えっ」
逸らした顔を、つい上向きにして久志を目に映す。
「あいつのトコ、行くの?」
その威圧感は当然ジョシュアにも届いていて、薄らと浮かべていた笑顔が消えた。
真剣な面持ちになって見つめ合うふたりに挟まれた桃花は、ジョシュアの言った言葉を大体理解していることもあってなにも口を出せずにいる。
ようやく沈黙を破るようにして開口したのは久志。
「それはアンタの前で見せる必要ねぇだろ」
先程のジョシュアよりも低音だが、はっきりとふたりの耳に届いた言葉。
しかも、それがこの場凌ぎなんかではないことが言わずとも感じ取れる。
そのくらい、魂の籠もった声だったと、数回しか顔を見ていないジョシュアでさえも全身で感じた。
鬼気迫るような雰囲気に、ジョシュアも久志の〝覚悟〟を察すると、「フゥ」と気の抜けるような溜め息を漏らして目を伏せた。
「……モモカ。今日は席を外すことにするよ。See you soon.」
あっさりとジョシュアが立ち去る姿を見送るように立ちほうける桃花の手首を久志が掴んだ。
吃驚して桃花が顔を上げると、まっすぐと自分を見据える久志が細い路地に引き込む。
さらに驚く桃花をよそに、人気を避けたその路地で、手を解放した久志は毅然とした態度で桃花と向き合った。
けれど、向き合うだけで、なにも言ってはくれない。
桃花は潤んだ瞳を誤魔化すように軽く伏せて、小さく声を漏らした。
「あ、あの……」
「すっげぇ都合いいこと、これから言うけど」
「えっ」
逸らした顔を、つい上向きにして久志を目に映す。
「あいつのトコ、行くの?」