世界でいちばん、大キライ。
「あ、このままやっちゃう?」
桃花の誘いの理由(わけ)はこうだ。
道中、麻美が絵が描かれたココアに興味を持って、その作り方を聞いたところ、桃花が前に久志と買い物をした時のミルクフォーマーがカバンに入ったままなのを思い出す。
『これ、結構使えると思うよ。あげる。100円だし』
何気に言ったその一言から、麻美が『じゃあやりかた教えて』と言いだして、そのまま麻美が引き摺りこんだという流れだ。
「牛乳あるんだよね?」
「うん。コーヒーも確かあったはず」
聞かれた麻美が冷蔵庫から牛乳を取り出し、インスタントコーヒーを探しているところに音が聞こえてきた。
カチャ、という金属音の後、すぐにドアの開閉の音。
ガタガタと人の気配を感じると、桃花と麻美は目を見合わせた。
そしてひたひたと近づいてくる足音に、桃花はギクリと体を強張らせた。
(う、うそ……! 麻美ちゃんは「まだ帰らないはず」って言ってたのに……! まさか鉢合わせしちゃうなんて!)
『どうしよう!』と困惑するも、隠れることも出来ず。
無情にも、リビングに通ずる扉がガチャリと開かれ、その長身の久志が姿を現した。
「麻美? 友達……か? って……えぇっ?!」
靴を見て誰かがいることは既に気付いていたらしい。
しかし、その相手がまさか桃花だなんて疑うこともなかった久志はキッチンに並ぶふたりを見て息が止まった。
「なっ……なにが、どうなってるんだ……?」
長い人差し指を向けてだらしなく口をあんぐりと開けた久志の顔は、麻美も、もちろん桃花も見たことがない
「……あ、の……」
(絶対不審に思ってる! だってこの間、あんな気まずい別れ方したっていうのにこんなとこにいたら!)
桃花の誘いの理由(わけ)はこうだ。
道中、麻美が絵が描かれたココアに興味を持って、その作り方を聞いたところ、桃花が前に久志と買い物をした時のミルクフォーマーがカバンに入ったままなのを思い出す。
『これ、結構使えると思うよ。あげる。100円だし』
何気に言ったその一言から、麻美が『じゃあやりかた教えて』と言いだして、そのまま麻美が引き摺りこんだという流れだ。
「牛乳あるんだよね?」
「うん。コーヒーも確かあったはず」
聞かれた麻美が冷蔵庫から牛乳を取り出し、インスタントコーヒーを探しているところに音が聞こえてきた。
カチャ、という金属音の後、すぐにドアの開閉の音。
ガタガタと人の気配を感じると、桃花と麻美は目を見合わせた。
そしてひたひたと近づいてくる足音に、桃花はギクリと体を強張らせた。
(う、うそ……! 麻美ちゃんは「まだ帰らないはず」って言ってたのに……! まさか鉢合わせしちゃうなんて!)
『どうしよう!』と困惑するも、隠れることも出来ず。
無情にも、リビングに通ずる扉がガチャリと開かれ、その長身の久志が姿を現した。
「麻美? 友達……か? って……えぇっ?!」
靴を見て誰かがいることは既に気付いていたらしい。
しかし、その相手がまさか桃花だなんて疑うこともなかった久志はキッチンに並ぶふたりを見て息が止まった。
「なっ……なにが、どうなってるんだ……?」
長い人差し指を向けてだらしなく口をあんぐりと開けた久志の顔は、麻美も、もちろん桃花も見たことがない
「……あ、の……」
(絶対不審に思ってる! だってこの間、あんな気まずい別れ方したっていうのにこんなとこにいたら!)