櫻の王子と雪の騎士 Ⅰ
***
ここは、どこ......?
ルミは辺りを見渡す。
真っ暗だ。一寸先は闇、まさにそんな感じ。
そう言えば、初めてここに、この世界に来た時のことを思い出す。あの時も、目が覚めると辺りは真っ暗だった。
もしかしたら、また別の世界に来ているのかも。
もし、そうだったら、ちょっと笑えてきちゃう。私もとうとう壊れてきたのかも。
そんなことを笑いながら考えていた矢先だった。
────────ルミ
え、......
────────ルミ、聞こえているな
(あの時の、突然頭の中に聞こえてきた声......!!)
そう分かったとき、ルミはまだ終わっていないのだと、まだあの世界での出来事は続いているのだと知る。
────────時が、満ちる
何の?
────────漸く、この時が来たのだ
だから、一体何のこと?
あなたは誰なの?何がしたいの??
────────私は『オマエ』
えっ?
────────私は『オマエ』で
お前は『ワタシ』
何?何なのよ。分からない、もっと私にもわかるように話して。
───────時は来た、“白亜の女神”の元へ
──────私はそこにいる
─────私は、”白亜の女神“
───私は、もう一人のお前
─再び我々が出会う時、私達は一つになる
私の元へ来い、ルミ──────