Trick and Love
「ふ、はは、瑞希、すごい、いいよ……っ」
「……」
「可愛い可愛い。
似合ってる、……ふふ」
パシャッ。
響くのはシャッター音。
画面の向こうにいるのは不貞腐れた表情をして……髪にリボンをつけられた、瑞希。
「ねぇ、もういい?」
「だめ、もう少し」
「えー」
「イタズラ、だもん。
なにをするかはわたしの自由でしょ」
それに勧めたのは瑞希だよね? と言うと、もう返事が返ってこない。
期待はずれ?
でも予想よりずっと似合っていて、わたしは大満足。
頬に手を寄せると、すりっと押しつけてくる。
ほら、機嫌なおった。
*
わたしだけの特別。
愛しい愛しい彼は猫。
キスをして、囁いて。
イタズラに笑ってみよう。
Trick and Love
(お菓子よりも、愛あるイタズラを!)
fin.