サンカク関係。
Episode.1
「女子って大変だね」
ふとリビングに浮かんだ言葉は、私の頭の中でぐるぐると回った。
「なにを見てそうおもったの?」
唐突すぎて頭がついていかない。
大地がみていたテレビを覗きこんでも、それらしきことは映されていないし、現実的なそういう揉め事も聞いたことはない。
本当の意味もよくわかっていないのだけど。
「いや、なにっていわれるとあれだけど」
どれよ、とお決まりの文句を返す。
私は呆れて話から耳をそらし、手に据えていた牛乳を冷蔵庫に入れ戻す。
この暑い日にはカルシウムは必須。
「あんまり七海に思ったことはなかったけどさ、女子の特有の思い込みって言うか…」
「夢見てるところ?」
「そう、それ」
「それは男子にも言えると思うけどなぁ」