brother teacher
出会い-inevitable-
*下駄箱*
「おはよう!」
「おっはよー」
慣れた挨拶が飛び交う今日は、高校生活最後の始業式。
んーもう3年生になっちゃったのかぁ!
嬉しいような寂しいような不安もありつつ…
いつものように下駄箱で靴を履き替えていると、聞き慣れた声が耳に入る。
「おはよう穂香」
「あ、おはよー七世!今日もかっこいいね!」
「いや、いつもと変わらないから」
そう言って苦笑を浮かべるのは深澤七世(ふかざわななせ)。
黒髪ショートカットで鼻筋が綺麗なかっこいい系のクール女子。
女子バスケ部のエースで女の子のファンが何人もいるっていう噂…!
「あ、見つけたー!!おっはよー!!穂香!!七世!!」
そこへポニーテールを揺らしながら満面の笑みで来たのは…
「おはよう、咲羽!」
「咲羽、おはよ。咲羽は相変わらず元気だなぁ」
「えっへへ!!」
「褒めてない」
鋭い七世のツッコミ。
天真爛漫な若月咲羽(わかつきさわ)は、目を輝かせながらウキウキしている。
こんな見た目なのに空手部の主将…見えないよね!
「ねぇねぇ、クラス表見た!?」
「え、見てないけど」
落ち着き払った七世とテンションの高い咲羽の二人を見てると、なんだか笑えてくる。
「あのね、私達また一緒のクラスだったの!!」
「え、ほんと!?嬉しい!!」
『きゃぁぁぁ!!!』
嬉しくて思わず咲羽と抱きつく。
「ほら、七世もはいっておいでよ!!」
「いや、あたしそういうのは…」
「そんなこと言わずにー!!」
「え、ちょっ」
七世の拒否も虚しく、咲羽の抱きつきにより砕かれる。
でも私も嬉しくなって一緒に抱きついた。