brother teacher
『先頭は赤組!残り1周となりました!そのすぐ後ろには青組!果たしてどちらが先にゴールするのでしょうか!!』
アナウンス通り、すぐ後ろからはザッザッと足音が聞こえていた。
スタートからずっと後ろキープされてる…!
ゴールギリギリで追い抜く作戦かなぁ
少しスピードを上げてみる。
だけど後ろのペースは変わらない。
そしてそのまま最後の半周に入った。
絶対追い抜かれたくない!
ギラギラ照りつける太陽と貧血でもう限界が近づいていた。
その体を無理やり走らせる。
後ろからも同じくラストスパートをかけている足音が聞こえる。
目指す白いゴールテープは目の前寸前。
よし、このままゴー…
グラッ
視界が思い切り歪む。
え…待って…もう、目の前…なのに…!
ドサッ…
「上原!!!」
先生の声が耳に届く頃、私の意識はもう深く落ちていたのだった…。