あたしはお姉ちゃん、彼は弟。
翌日━


約束の10時まであと10分になった今、あたしは用意を済ませ家を出た。


シロなら断っても…ちゃんと友達でいてくれるよね…?


シロがいたから今のあたしがいる。


だから、友達としてこれからも仲良くしてほしいんだ…。


待ち合わせ場所の公園はあたしの家の近くということもあって、歩いて5分もかからない。


あたしはすぐに公園に着いた。


ちょっと早いし、まだシロいないかな…?


「夏依…!」


シロはもう公園にいた。


「シロ!…ごめん…待った?」


待たせてたら申し訳ないなぁ…。


「いや…俺が勝手に早く来ただけだからさ。家にいると落ち着かなくて…。」


「そっか。」


あたしはそれしか言えなかった。


また謝るのも変だし…。


「で、夏依…俺は前にも言った通り夏依が好きなんだ!」


まっすぐな目であたしを見るシロ。


断りづらい…。


でも言わなきゃ…。


「シロ…あたしね、シロとは付き合えないの…。ごめんなさい!」


あたしはどうしてもシロの目を見ることができなくて、足元を見たまま言った。


< 20 / 44 >

この作品をシェア

pagetop