あたしはお姉ちゃん、彼は弟。
「シロにはすごく感謝してる。今のあたしはシロがいなかったらいなかった…。」


本当に…。


「俺…あきらめないよ…。」


え…?


あきらめないって…言った?


ど…どうしよ…!


えっと…


「ご…ごめん!シロ…あたしにとってシロは…」


焦ったあたしが夢中で言うと、シロは


「な~んてな!」


って笑いながら言い出した。


し…シロ…?


あきらめないって嘘?


「夏依にとって俺は友達だろ?いつまでも恋の相手にはならない。…わかってるよ。」


さっき笑ったのが嘘のように悲しそうな顔をした。


こういう時、言ってしまう言葉…『ごめんなさい』…


「シロ…ごめ…」


あたしがその言ってしまう言葉を言い終わる前に、シロはあたしの口に人差し指を当てた。


『シーっ』とやるかのように。


そしてシロは静かに言った。


「もう『ごめん』はいいよ…!俺もつらいけど、夏依だってつらくなるだろ?」


あたしのことはどうだっていい。


シロを『ごめんなさい』の一言で余計つらくさせてるなんて…。


『ごめんなさい』じゃない…どう言ったらいい?


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