あたしはお姉ちゃん、彼は弟。
「颯真…!」


颯真は包帯があらゆるところに巻かれている状態だった。


けど、息もしてるし心臓も動いてる…そして目が開いている。


それが室外からもわかった。


室内にはまだ入れない。


話しかけたい…そう思うけど、もう少しの辛抱だよね…!


颯真は…生きてるんだもん!


約2週間後…


今日は颯真が退院する日。


あたしたちは退院時間よりかなり早めに病室に向かった。


少し前から颯真は話せるくらいまでに回復した。


検査の結果、恐れていた障害もなかった。


よかったよ…颯真…。


よく頑張ったよ…!


「そ~うま!」


あたしはテンションが上がった状態で颯真の病室に入った。


「おう!夏依!」


いつもの優しい笑顔で迎えてくれる颯真。


夢じゃ…ないんだよね!


颯真は…生きてるんだよね!


こんなに颯真といれることがうれしいことだなんて知らなかったよ?


颯真…生きてくれて ありがとう…!


「あれ?もう退院準備やったの?」


ベッドの上には荷造りされたかばんがあった。


「したけど…したらだめだったか?」


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