フタトワタシ
1 アカナイフタ
いつからだろう。


フタが開かなくなった。

ううん。正確には開けられなくなったんだ。



どの時点でか記憶は定かではないけれど、
多分、私がもう二度とこのフタが開かないようにと、ありったけの握力つかって
ぎゅーーーーっと閉めたんだ。










***





「ままぁぁぁ~~~」

「あーもう、ほら大丈夫、ね?」



朝はいつだって戦争だ。
5歳になる娘の身支度から、なにからなにまで。

こんな慌しさを幸せだったなぁなんて思える日がやってくるのかな。







その日を迎えるまでには、もうフタの存在すら忘れているのかな。。。



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